台湾視察研修会
去る7月26日から28日にJMC関西地区が主体となり、台湾への工場設備の視察見学会をおこなった。
関西支部では昨年度も上海への工場見学会を実施しており、2年連続での開催である。
参加者は総勢18名、関西を中心に遠くは熊本、北九州、そして名古屋からも3名の会員の参加となった。
名古屋組は中部国際空港から、九州からの参加者は前日25日に大阪入りし、29日に帰九するというスケジュールとなり大変ご苦労された参加となった。
無事に台北空港で合流し、さっそく1日目の工場見学場所であるバスで40分程の新北市にある冠釣機械工業有限公司に向かった。冠釣機械工業はPU乾式塗布機・PU湿式合成皮製造機、PVC網式合成皮設備・PVC針釘式合成皮生産設備等を製作されている。
時間の関係で工場に到着後すぐに見学となり、事前情報も無かったことから製作途中の設備を理解するのに戸惑いが有った。工場ではPU乾式塗布機を組立て調整をされている最中であった。見学後会議室にて林(りん)理事長兼総経理との名刺交換や設備説明があった。質問の中に設計はどうしているのかとの質問に、「実は設計は5名ほどいるが、図面のもともとは日本メーカーのコピーです。」と堂々と解答されたのには一同笑いと驚きの表情に変わった。設計図面があれば海外でいくらでも製作できる。まさしく日本の製造業が直面している状況を改めて感じ取った見学会であった。
2日目は少々ハードである。台北から高雄に新幹線で移動(約90分)し台湾高速鐵路股分有限公司を見学させていただいた。まず移動の新幹線はJR東海の700系とまったく同じであり日本の新幹線技術をそのまま導入していた。台湾高速鐵路股分有限公司は神戸の清水設計事務所の清水社長の取引関係でのご紹介を頂いたもので、工場の内容は台湾新幹線のメンテナンスをおこなっている立派な工場であった。見学に先立って会議室にて工場設備のプレゼンがおこなわれた。質疑の中にメンテナンスの技術あるいは取替え部品は全て日本製であることを話してくださった。工場の設備も鹿島建設が中心となり日本の技術がいかんなく取り入れられており、圧巻であった。
皮肉なことに日本の技術を全面的に取り入れた台湾高速新幹線は無事故で、海外の技術を取り入れながらも、自国で開発した新幹線であると発表の中国本土を走る新幹線は大事故を起こした。日本の技術をあらためて感心した大変有意義な見学会であった。
JMCでは過去にも中国大連への設計会社見学も実施しています。今後も機会を作って近隣諸国の工場や施設見学会を実施できたらと思います。
出席いただいた皆様お疲れ様でした。
記:武内
【冠釣機械工業有限公司で工場を見学する参加者】
【冠釣機械工業有限公司の事務所前で記念撮影】
【事務所内応接室で同社社長の説明を聞く一同】
【高雄市へ向う台湾新幹線の社内で】
【整備工場内で外された台車を見る】
【台車車輪を切削するイタリア製の特殊旋盤】
【工場内で整備中の台湾新幹線の車体】