富士ゼロックスマニュファクチュアリング株式会社 鈴鹿事業所
ものづくりコラボ、事例講演と工場見学会
近鉄エンジニアリング株式会社
武内弘光
平成25年10月4日(金)三重県鈴鹿市にある富士ゼロックスマニュファクチュアリング株式会社
鈴鹿事業所での研修会をおこないました。
当日は現地へ車で直接向かわれた方が5名、近鉄四日市駅で合流した電車組の方が13名の総
勢18名の方々が参加されました。
富士ゼロックスマニュファクチュアリング株式会社は富士ゼロックス株式会社の国内生産事業会社
として既存の工場での生産を統合するために平成22年に設立された新しい会社です。本社は神奈
川県海老名市、工場は鈴鹿を始め新潟柏崎、富山滑川そして神奈川竹松の四つの事業所で複写機
/プリンターの生産を行っており、鈴鹿事業所はその中でも基幹部品の製造を担っている重要な生
産拠点となります。
みどり豊かな広大な敷地内に整然と配置された工場建屋群、係りの方の案内もスムーズに研修会
場に案内され、先ずは事業所のご好意により昼食のお弁当をいただきました。
13時からいよいよ改善事例講演。先ずは生産革新活動について30分間の講演を拝聴しました。
整理整頓の2Sを徹底的に実行し、「自らが考え行動する職場風土の醸成」をスローガンにQC手法を
用いて様々な改善に取り組まれた事例発表でありました。二つ目の事例講演は2012年度第一線
監督者の集いで「大野耐一賞」を受賞されたリーダーの講演であった。大野耐一氏とはトヨタ自動車
の元副社長でトヨタ生産方式の体系化の原点となったかんばん方式(生産の無駄を減らし必要なも
のを必要なときに生産する)を取り入れ世界的に注目を浴び、有名となった方です。
講演で印象的だったのはリーダーとしての自覚と行動力、そして部下や派遣された期間従業員の
意識まで変える情熱に感銘を受けました。結果として期間従業員の方々が正社員登用合格となるな
ど、その方の人生まで変えてしまうパワーを感じ取りました。
工場見学では事例講演もお聞きしていたのである程度は想像できましたが、工場内はありとあらゆ
る部品が整然と整理され通路にもごみ一つ無い鍛錬された工場でした。
しかし中には人海戦術の組み立てラインもあり、タクト42秒で200itemのパーツを16名(1名あたり
42秒内で10から15の部品組み付け)の流れ作業で組みつけている現場ではもう少し機械化が出
来るような思いも持ちました。同じ作業の繰り返しであり、とても私には務まらないとも強く感じまし
た。大型複合機の組み立てには作業時間1秒の短縮が出来ないかとスタッフが皆で力を合わせ、2
009年に6188分掛かっていた組み立て時間を現在1500分まで短縮する事が出来た事例を説明
していただき、やれば出来ると強く感じました。見学者の中にも自分たちの職場に於いても無駄が山
積しそれを少しずつでも省く事に取り組まねばもっと効率が上がるのではと感じた方もおられると思い
ます。
最後に一緒に見学をしたゼロックスの営業課長様の言葉も印象に残りました。生産現場でこれだけ
コストダウンと品質安定に日々努力をしている事を知ったので、営業も自信をもって商品の説明を行
いお客様の値引き等の過剰な要求にも簡単に応じないよう努力しますと・・・。
会社には総務、営業、技術、社長や役員などの部門がありそれぞれが様々な専門的な仕事をしてい
ます。それぞれの部門や担当があの部門があんなに頑張っているから我々も頑張らねばと思える職
場作りが重要と強く感じました。今一度自分たちの部門で精一杯努力を重ねているか考えて見るき
っかけにもなった有意義な研修会でした。