日本機械設計技術者クラブ
会長 武内 弘光
あけましておめでとうございます。
JMC会員ならびにご家族のみなさまにおかれましては、すこやかに新年を
迎えられたこととお慶び申し上げます。また平素よりJMCの運営に関し格別
のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
2016年は例年にないほど穏やかで暖かい日よりで幕を明けました。1月も
半ばを過ぎようやく太平洋沿岸にも寒波が降りて来て、首都圏でも冠雪となり
ましたが、関西地方ではまだまだ暖冬との印象を持っています。
昨年はイスラム国による日本人ジャーナリスト殺害やパリでの同時多発テロ
など痛ましいニュースが流れました。2016年、新年早々からもサウジとイラ
ンの国交断絶や北朝鮮による核実験、トルコでのテロなど世界を揺るがす
ニュースが飛び交っています。
一方世界経済を見ると、年末に米国金利引き上げが飛び込んできて米国経
済好調との印象を持ちましたが、懸案である中国経済の上昇鈍化やシェール
石油の影響による原油価格の下落など、世界経済は変わらず不安定な状態
で推移していると捉えています。今年は争いごとのない平和な世界、経済も
緩やかながらも右肩上がりとなる景気安定となる一年であってほしい、そう
願うばかりです。
さて昨年度のJMC活動をあらためて振り返りご報告いたします。何かと厳し
い情勢ではありましたが、次のような活動を行ってまいりました。
2月27日
・第33回世話人会(滋賀県長浜、成駒家)
・ヤンマーミュージアム見学会(滋賀県長浜)
5月22日
・リニア・鉄道館見学会(JMC総会に先立って、名古屋市港区)
・JMC定時総会(名古屋メンバーズ栄ビル)
・ミツワエンジニアリング様技術発表会・意見交換会(同上会場にて)
7月17日~7月21日
・タイ海外研修(JMC関西主催、工業会中部支部協賛)
・YN2-TECH(THAILAND)講演発表会
(タイ国内でのCADソフト事情や流通について)
・ホンダタイ アユタヤ工場見学会
(No2AF工場見学、質疑応答)
10月16日~10月17日
・福島県被災地スタディツアー開催(福島磐梯熱海で宿泊・懇親会)
(翌日福島洋上風力発電、原発事故から立ち直ろうとする被災地を見学)
11月17日
・機械設計技術者試験日
(会場監督員応援、機械設計工業会から依頼、若干名)
至らない点も多々あり、みなさまにとって物足りない活動だとお叱りを受ける
かもしれません。そのような声がありましたら事務局を通じてご意見をいただ
ければ幸いです。
ご存知のように昨今の技術進歩はめまぐるしく、例えばスマホやタブレットを
活用した生活環境の変化や自動化運転が現実となってきた自動車業界、
そして電力自由化にまつわる様々な発電設備など、過去にないさまざまな
機械や設備が必要となってきました。我々機械設計に携わるものにとっても
その情報量を整理するにも大変苦慮するのが現状です。またそのような莫
大な情報をもとに会社の将来を託すことになる若年機械設計者の育成には
頭の痛いところです。
2Dあるいは3Dの既存設計データを活用する編集設計術だけなら近隣の
中国や東南アジア諸国との価格競争には到底太刀打ちできません。大事
なことは基礎知識をベースに、力学や熱応力などを基本とする構造計算や
サイクル、寿命、メンテナンスなどを総合的に織り込んだ機械設計の本質を
おろそかにしないことが大切です。そうすれば機械設計者としての価値は
永遠に変わることはありません。今後も日本は最先端の商品や機械開発
を行い技術大国として歩んでいってほしいと願っています。いろんな意見や
考え方があると思います、JMCではそのような皆さんの貴重な声も吸い
上げて発信していければと考えています。
今年度も工場あるいは施設見学会、JMC会員による技術発表会、海外
研修会(ベトナムハノイ7月16日~20日を予定)などを中心に企画し活動
をしていきたいと考えております。また皆様の参加を持って活発な活動が
おこなえればと思っています。何かとお忙しいとは存じますが都合がつく
限り、そうしたイベントの折にはご参加頂ける様お願いいたします。それと
会員の交流の場として設けている「つぶやき」コーナーへの投稿がここしば
らく途絶えています。こちらも皆様からの積極的な寄稿をお待ちしております。
最後になりましたが本年がみなさまにとって健康で幸多き一年となることを
祈念し、新年を迎えてのあいさつとさせていただきます。