沖縄短期生活と公開講座
合同会社 エムテック22 宮崎雄司
少し前の事になるが、8月後半、昨年同様沖縄(那覇市)に一人逃亡?した。
特にこれと言った目的があるわけではないが、毎年夏が近づくと沖縄の青い空と、青い海が見たくなる。
昨年は、折りたたみ式の自転車を輪空したが、今年は期間も短かったため、もっぱらバスでの移動であった。
滞在中、ある日はフェリーで2時間ほどの離島へ、又ある日は、休日乗り放題のバスチケットを利用して、名護まで2時間、オリオンビールの工場見学(目的はビールの試飲)、その後泡盛の醸造所見学。当所は、平成17年1月に"津嘉山酒屋保存の会"が発足し、保存会の尽力により平成21年6月に国の重要文化財に指定され、平成23年から大改修を行っている。当時は、古民家の佇まいを残し一番の見どころだった母屋の部分の調査が行われていた。従ってここでの試飲はなし。(残念・・・)
現在では解体が済み、さらには建屋で覆う作業も始まっているもよう。
その後、名後の町を散策し、再びバスで嘉手納経由で嘉手納基地の横を通り沖縄市(旧コザ)へ。
さて、今回の滞在中に目的の1つでもあった、琉球大学での公開講座を受講した。
"最先端物理学の世界「質量」の謎に迫る" 講師は琉球大学理学部物質地球学科前野昌弘准教授、他2名の先生方による講演である。
【 講演内容 】
・ ヒッグス粒子と質量の起源
・ 光速近くまで加速した粒子の使い方
・ 重くなる電子の話
・ 実験実演他
この公開講座では、現代物理における質量の謎について
解説する講演と、関連する実験実演などであった。
詳細については省略するが(難しくて書けない!)ニュートン力学から、相対性理論、さらに量子力学の世界についての講演であった。
特に実験の一つとして"空気抵抗がない場所では、質量に関係なく、物体は同じ速さで落下する"と言うことを理解はしていても、実際にあまり見たことがない。
今回、簡単な装置により実験が行われ、実感することも出来た。
以前実際の業務で、ある設備の運動解析を行う必要があった。この時、ニュートンの第2法則で有名な F = m・α を用い、速度、加速度等を計算し、EXCELでシミュレーションを行った。
以来、物理、重力、質量、力学等に関して以前より基礎部分に興味がわくようになった。
機械設計技術者は往々にして、結果のみを求める傾向にあるが、この時苦しんだ結果、やはり機械設計とはいえ、工学の分野のみに限らず、物理、数学等の原理原則の重要性を再認識した次第である。
最近学術専門書ではないが、物理、力学に関する本を色々読む機会が多くなった。
(主なもの下記参照)
その中でもお薦めは、前野昌弘著"よくわかる初等力学"(東京図書株式会社出版)である。
力学の参考書としては基礎の部分であるが、忘れかけている基本部分を再度、確認、認識するには最適な内容である。
この公開講座を聞き、現在大学で研究されている最先端の物理を含む、生き生きとした物理学の世界に触れ、不思議体験が出来たが、正直よく理解出来ない世界でもあった。
【 図書紹介 】
"重力はなぜ生まれたか" ブライアン・クレッグ著 SoftBank Creative(株)
"これが物理学だ!" ウォルター・ルーウィン著 文藝春秋
"重力とは何か" 大栗博司著 幻冬舎新書
"死ぬまでに学びたい5つの物理学" 山口栄一 筑摩選書
"よくわかる初等力学" 前野昌弘著 東京図書株式会社
最後に物理の問題を記して終わりとする。
【 問題 】
無重力状態でお相撲さんとノミが押し合ったら、はじき飛ばされるのどちらでしょうか。
ヒント:質量とは物体の動かしにくさである。
答は上記のいずれかの本にあります。
興味が湧かれた方は読まれてはいかがでしょうか
さてこのような二週間ほどの沖縄生活であったが、目的を持って行動するも良し、ただ々沖縄の風に吹かれるもまた良し。充実した二週間の逃亡生活であった。
以上