伊勢神宮 第六十二回式年遷宮(平成二十五年十月)
エース設計産業 馬渕智幸
我社では毎年、慰安旅行に全社員で出かけます。今年は20年に一度の式年遷宮で賑う
伊勢神宮に11月に行く計画になって居ります。10月には遷御も完了して居り、西の御敷
地に移られていますが、真新しい神殿を見てなにか感じるものがあれば良いのではと思って
居ります。伊勢神宮の式年遷宮について少し調べてみました。
持統天皇690年に内宮(天照大御神)で初めて行われた。社殿の建替えのみならず、神
宝や装束などの調度品までもが、すべて新しく造り替える式年遷宮が1300年以上にわた
って続けられてきました。日本文化の原形である伊勢神宮は、20年に一度式年遷宮を行い
ます。式年遷宮に息づく「常若の心」は、社殿を常に新しく更新して、常若の心を伝えている
のです。その御用材は摂社や末社へ再利用されています。平成5年の式年遷宮では、阪神
大震災で被災した生田神社(神戸)に再利用されました。伊勢神宮が守ってきた皇室の永
遠、「稲作」に代表される自然との共存する生き方は、今後も大事にされねばなりません。
20年ごとの式年遷宮は、その決意を私たちが再認識する機会なのではないでしょうか。
また、出雲大社(大国主大神)も同じく60年に一度の本殿遷宮が平成25年5月に行われ
ました。平成25年は、20年と60年の式年遷宮と本殿遷宮の周期が重なる貴重な年に当
たります。その時代に生きて、目の当たりにできる我々は、後世に自然との共生を実現でき
る産業社会を残さなければいけないのでしょう。この意味ある時代を生きた我々・機械設計
技術者が、式年遷宮の「常若の心」に象徴される3R(リデュース・リユース・リサイクル)に
代表される循環型社会の実現に機械設計を通して産業社会に貢献していかなければなら
ないと改めて感じました。
さらに我々JMC(日本機械設計技術者クラブ)は機械設計を生業とする技術者クラブです。
会員各位は、夫々が自律した技術者であると同時に殆どが企業に属しているのが現実。
企業における技術者の引き継ぎは式年遷宮のように20年単位ではなく、10年否5年単
位で継承していかなければならないでしょう。次世代の機械設計技術者に技術の継承や
新しい技術の習得の継続を期待すると共に、式年遷宮に生きる「常若の心」と同じく常に
瑞々しい姿勢と知識で最新の技術を追求していかなければならないと感じました。日本機
械設計技術者クラブを通じて「生涯学習の心」を持ち続け最新の技術で社会に貢献するこ
とを発進し続けなければいけない事を改めて確認しました。今後も当クラブの技術研修を
通じて、新しい技術の習得と継承を考えて行きたいと感じました。
「次世代の機械設計技術者達よ!当クラブに集い共に考えよう!」