<若手技術者へのつぶやき>
サンテック㈱
滝沢弘典
「起業には年齢、経験など一切関係はない」
昭和の時代に銀行関係で知り合った知人、当時60歳くらいで銀行を定年退職して悠々自適な人
生と思ってましたが家にいても仕方がないということで名古屋の製造会社の総務関係の仕事をして
おられました。たまたまお会いして食事をする程度のお付き合いでした。
私が当時45歳の若輩者でしたのでいろいろ相談などしていました。忘れもしませんが平成2年の
正月明け事務所に訪ねてこられ、いきなり自分は設計事務所をしたいのでサンテックの定款などを
貸して欲しい?これには私は多少なりとも驚きました。
設計のことも何もわからないのに、おまけに年齢が70歳?とりあえず会社の資料はすべてお見せし
ました。その年の1月下旬に訪ねてこられて会社を設立したとの事、事務所は1年契約で家主と話し
合い一括で支払うから11ヶ月分にして欲しい?
さすが元銀行マン、お金の使い方が違うなーと思った程度でした。
車は贅沢だから公共交通機関を使い、あとはタクシーそれのほうが安く上がると、ここ刈谷は交通の
便が悪いのでそれまでは車は最低必需品と私は思ってました。
一年余り経過した2月、収支決算報告書をもってこられ順調な滑り出しだと?聞いてみれば設計技術
者の派遣をしてるとか、同業者?私は最初から派遣はなるべくしないで持ち帰りに重点を置いていま
した、持ち帰り業務は浮き沈みが激しいので派遣のほうが安全とは思ってました。自分自身が派遣
生活を過ごしたものですから。
あれよあれよと言ってるうちに社員が50名を超えた、機械のこともキャドのことも何も知らない初老の
人が?経営手段、お金の使い方いろいろ勉強にさせて頂きました。
自分があまり飲めないので接待はしない、盆暮れの中元、歳暮はしない、協力してあげているのだ
からする必要がない、頑固な方でしたが80歳になられた時に他界されました、70歳から80歳まで
の10年間で社員100名を擁する会社にした事はでもが出来ることでは有りません。人脈、行動、
チャンスなどをうまくつかんだ結果だと思います、いまの若い方もあれはできないこれも出来ないでは
なく何事もチャレンジしてください。