JMC(機械設計技術者クラブ)は、(社)日本機械設計工業会が実施する機械設計技術者試験における1級並びに2級合格者の有志が集まり、平成10年に発足した任意団体です。
(設立当初は1級合格者のみ、平成15年度より2級合格者も会員資格となるよう拡大)
主な活動は同試験制度の啓蒙、企業の垣根を越えた機械設計技術者の交流並びに受験者への講習会開催などの活動を行なっています。
JMC設立以来15年間の活動を振り返ると会員誌の発行(現在は休刊中)、各種セミナーや工場見学会の実施、受験者への講習会開催、海外企業への視察研修などを行ってまいりました。今までの運営に際し陣頭指揮をとっていただいた前会長(現相談役)と副会長、並びにご協力いただいた各地区の世話人の方々、そして事務局に対しあらためて感謝を申しあげます。JMCでは今後もその活動を継承してまいります。
しかし現実を見れば当初より会員数も半減しここ数年は横ばいの状態となっています。また活動の回数や参加人数も減少しているのが現状です。原因はここ数年、企業や個人が大変厳しい時代に直面したことも考えられますが、やはり活動内容そのものも時代に合わなくなってきているのではと危惧いたします。
大きな話になりますが大震災による原発事故は日本だけに留まらず世界へ地域安全や地球環境に対し様々な問題提議をしています。また将来の電力に対してもまさしく物議をかもし出している最中です。一方基幹産業として代表的な自動車も内燃機関からEV車への急転換の道を歩んでいます。しかしEV車の普及には電力需要との関係も大きな課題で、そこには基幹産業界と原発を含む電力業界や政府との密接な関係も見え隠れしています。どの方向に行くのか、機械設計分野への係わりも含めて今後の動きを注目しなければなりません。
通信ツールや情報網も日々進化しているように、これからは経験だけでは補えない新しい時代の発想が求められています。まさしく世界が変わろうとしているこの時代に機械設計に携わるわれわれ技術者には何が出来るのか、何をしなければならないのかを問われているようにも感じています。
JMCも時代の変化を感じ活動の方向と変化を模索して行きたいと思います。関西地区で実施した海外への視察研修を通じ技術者との交流や意見交換も一つの方向性かもしれません。また本来の目的でもある機械設計技術者試験に対する支援活動にも注力し、若年技術者の育成と技術の継承を行なって行くことも重要と考えております。
これからもJMCの活動にご理解とご協力をお願いいたします。
平成24年8月1日
日本機械設計技術者クラブ
会長 武内弘光